5ちゃんねる ★スマホ版★ ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50  

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

蔵原惟繕と周辺の芸術家達

1 :山野好夫:04/02/03 20:55 ID:ovut8Krl
日本のヌーベルバーグの新の巨匠であられた故蔵原監督。
同僚にして後輩の神代監督。師弟関係且つ兄弟分の藤田敏八監督。
永遠のパートナーであった脚本家の山田信夫さん、皆物故された。
また正反対である舛田監督との友情、前衛撮影の間宮義雄さん、
短くも美しく燃えた作家人生と珠玉の作品について幅広く探求したい。

2 :部外者:04/02/03 20:57 ID:Ct7HknIM
2げt

3 :名無シネマ@上映中:04/02/03 21:07 ID:ovut8Krl
蔵原作品の真髄は、「南極物語」「キタキツネ物語」ではないと思う。
「憎いあンちくしょう」「狂熱の季節」「ある脅迫」
「硝子のジョニー 野獣のように見えて」ではないかと思われ・・・


4 :名無シネマ@上映中:04/02/03 21:49 ID:tU62xjuk
かつてアスキーで、このスレの原型を見た記憶があります。
相変わらず、かなりマニアックでつね。dat落ち、心配でつ。

「南極物語」とか「キタキツネ物語」は主流でないのは理解できまつ。
んで「執炎」とか「愛の渇き」は、一般的には蔵原傑作といわれております。
「執炎」は完成度は高いけど、漏れとは肌が合わんかった。
テレビで観た「執炎」はディレクターズカットなのか、ラストのフィルム
が長かったような気がしてます。
「愛の渇き」は実験映画で、いかにも日活を首覚悟で撮った凄みがありますねえ。




5 :名無シネマ@上映中:04/02/03 22:50 ID:mVFy4FtA
「執炎」は破綻は少ないでしょ。フィックス・ショットが決まってる。
でも、僕の趣味ではないな。

だったら、「銀座の恋の物語」や「愛と死の記録」が好き。
マイナーなら「霧の中の男」って独特なスタイルがあったよ。

6 :名無シネマ@上映中:04/02/03 23:34 ID:jluKrJzq
>>3
どうやら、タイトルバックの格好いい、モダンジャズや前衛的なカッティング
がご贔屓みたい。ワシもそうだった。
ワシだって何よりハンドカメラが神経質くらいグルグル回った時期の蔵原映画は
格好よかった。
あの頃、バルクローズの「唇によだれ」や、M.ガストの「墓にツバをかけろ」
はホンマ芸術だと思った。テレビ名画座が15:00〜からあってね、母親が買い物
にゆくころ、一人で見てた。エロス=前衛映画だとおもったもんだ。



7 :名無シネマ@上映中:04/02/04 02:41 ID:8dgwQxu8

「南極物語」ディズニーで映画化。ロサンゼルスタイムズで読んだ。


8 :名無シネマ@上映中:04/02/04 08:46 ID:5PI4zaRU
「雨のアムステルダム」はこの人?

9 :名無シネマ@上映中:04/02/04 08:50 ID:nYLt8Fct
>8
そう。

10 :名無シネマ@上映中:04/02/04 11:34 ID:V9u3sdUS
遺作「ストロベリーロード」がわりと良かった

11 :名無シネマ@上映中:04/02/04 17:02 ID:Mv9fggpD
>>10
だったら、「海へSee You」とか、「春の鐘」の方が、イクナイ


12 :名無シネマ@上映中:04/02/04 20:16 ID:GtjeuWKk
>>6
ご指摘は>3で書いたことへの痛烈なアイロニーでしょ。蔵原作品は、
憎いあンちくしょう、硝子のジョニー、狂熱の季節、ある脅迫(SP映画)、
更に加味すれば
何か面白いことないか、俺は待ってるぜ、銀座の恋の物語、愛と死の記録、
マイナーなら、「この若さある限り」、そして「夜明けのうた」が絶品。
 あとフランスのヌーベルバーグとの比較ですが、そりゃあ、
蔵原が先ですし、ショットの切れは上ですよ。
 お若いの(多分?)に、昔の映画をよくご覧になられており感服です。
ですがハンドカメラだけでなく、画面構成の洗練にいかれたの。



13 :名無シネマ@上映中:04/02/04 20:20 ID:GtjeuWKk
連投です。
>>7
そんなおはなしがあったの。知らなかった。

14 :名無シネマ@上映中:04/02/04 21:01 ID:+OklRjLX
>>10
A.ヴェルヌイユのヘッドライトのリメイクの「道」は史上空前の駄作。
ギャバンの味が素敵すぎたので、仲代達矢は滑稽にして醜悪だった。
救いは間宮義雄の映像だけ。後の作品はパスしてしもうた。
「ストロベリーロード」って、ロードムービーなの?


15 :名無シネマ@上映中:04/02/05 00:20 ID:QLq6Y2MX
「第三の死角」について書かせてくれ。
内容豊かな作品であーる。なぜなら、先ずミステリ映画でござる。
サスペンス醸成からアクションへの移行もスマートでエレガントざんす。
当時の東京を描いてた。真上からの俯瞰と仰角のショットに痺れた。
ギャング専科の深江章喜も絶好調。蔵原特有の抽象的理念の部分で、
評価は分かれよう。手持ちカメラの蔵原魅力は満載。奥様もホンをお書きです。


16 :1:04/02/05 01:31 ID:cM6a5g+k
私は次の引用を提示したい。


17 :1:04/02/05 02:00 ID:cM6a5g+k
続けます。渡辺武信氏(映画芸術、404,平成15年8月,vol53,no3)からの引用で
す。たかが、建築家の戯言と思われてもいい。氏は以下のように述べられておる。
「プログラム・ピクチャーの世界に長く身を置いたために見過ごされがちな
蔵原惟繕の仕事は、たまたま引き合いに出した小津、黒澤のみでなく、溝口健二、
成瀬巳喜男らの”巨匠”たちとも十分に対抗できるだけの美質を備えているし、
今後、映画史の中で再発見されるべき要素に満ちていると思う」(p.67)

 私も全く同感ですが、今のままだと、映画史から消滅するような気がします。
この試みは3回目ですが、どうなりますか。


18 :1:04/02/05 02:44 ID:zNa5vcHD
昭和32年前後、俺は武蔵小金井に住んでた。小学生だ。
桜並木見物だったか、さだかでない。で、府中でロケやってた。
そん時見たのが蔵原監督。

俳優だと思った。そうさな今なら、デイビット・ルヴォーみたいなハンサムでした。

19 :名無シネマ@上映中:04/02/05 19:16 ID:GcaZ5EVx
>当時の東京を描いてた。真上からの俯瞰と仰角のショットに痺れた。

仰角ショットは、人物のクローズアップでしたね。あれ斬新でした。

20 :名無シネマ@上映中:04/02/06 00:37 ID:LZ+CEjK8
「爆薬(ダイナマイト)に火をつけろ」なんだけど、でもこれ、
小林旭とは初めて。旭アクションは裕次郎よりはるかに、運動神経よいし。
 本は池田一郎(=隆慶一郎)だし、日活アクションの序が「俺は待ってるぜ」
なら、本品は日活アクションの原型となったと思われ・・・
作家的不調(興行ヒットだが)がながかったからね。有体にいえば、
ゼネコンアクション(けったいな造語)でしょ。
 そういえば、池田一郎はなんで中央大助教授を辞めてまで、
ホンヤになったのだろう。結果、正解だったからよかったけどね。
 このアクションは、かなりダイナミックで、当時としては感動だよ。


21 :名無シネマ@上映中:04/02/06 16:46 ID:kYnhXXJ1
>>20
>作家的不調(興行ヒットだが)がながかったからね

そうかい?「霧の中の男」は大好きだが、確かに興行はそうかもな。
「風速40米」「嵐の中を突っ走れ」はいかにも通俗で、
好きでないけど興行的には成功だとおもうが。


22 :名無シネマ@上映中:04/02/06 23:56 ID:kYnhXXJ1
霧の中の男、みんな酷評する。なんで?
石原文学特有の抽象性、文章の悪文や生硬論嫌悪にヴァイアスがあるぜ。
その見方は否定しないが、そこがアヴァンギャルドだと。残念だ。
葉山良二が霧の中、ウロウロするだけの映画と見る向きも多い。

映画の舞台劇化という、逆転の発想で何故見れないのか?これぞ前衛だ。傑作だ。



23 :名無シネマ@上映中:04/02/07 00:35 ID:EOR7rnld
>>21>>22
俺は待ってるぜ、霧の中の男、映画は傑作ですよ。
石原文学は彗星ですよ。当時は、右翼も左翼もないです。前衛ですた。


24 :名無シネマ@上映中:04/02/07 01:56 ID:ZT3wQRWm
あんまり専門的なこといわれてもなあ。観れない時代だから・・
俺は「憎いあンちくしょう」と「硝子のジョニー野獣のように見えて」、「執炎」
だけしか観てない。そりゃあ、「憎い」と「硝子」はやっぱ天才的だった。
 俺、蔵原の基本はシネマ・ヴェリテだと思う。「憎い」はヌーベルバーグタッチ、
「硝子」はイタリアン・ネオリズモのタッチともいえるがね。

基本は即興だと思うし、シネマ・ヴェリテだと思う。
有名な作品しか観ていないので、かん違いあればゴメン。「愛の渇き」だけは、
何としてでも観たい。
でもさー、プログラム・ピクチャーの枠組みの中で、ホンマよくやった。それ褒めよう

25 :名無シネマ@上映中:04/02/07 19:58 ID:Xxzs3mTC
「海底から来た女」。本題のまえに、>>20、ゼネコンアクションだと(w
だったら、「風速40米」こそ、ゼネコンアクションだべ。
「海底から来た女」は原作、脚本とも石原慎太郎。
音楽は黒澤組の佐藤勝(狂った果実もそうだっけ)。私は原作「鱶女」が大好き。
新潮文庫所収(文学界発表短編)だけど、良質なメルヘンでした。


26 :名無シネマ@上映中:04/02/07 20:35 ID:Xxzs3mTC
連投はご迷惑でしょうが、お許し下さいね。後、蔵原夫人がホンに関与。
「海底から来た女」は川地民夫主演で、石原兄弟のお隣で当節風に言えば
バシリだと思うけど、蔵原作品での彼の存在は凄い。
 詳細は後日述べるとして、なにせ「狂熱の季節」の主役だもの。
川地かルリ子が主演すれば、監督は跳ばす跳ばすで圧巻である。以下、ネタワ
リありなので、未見の方はご用心くだされ。
***********************************************************

鱶の精(化身)は筑波久子が演じてる。まだ少女だけど扇情的だった。
胸は髪の毛で覆い、腰はワカメを巻いただけ。それで海底を泳ぐのだから、
まーあ、ファンタジック且つエロティックでした。
物語は生きた魚をそのまま齧る少女(映像では暗示だけ)。
その少女に対して性衝動を我慢できなくて、そのはけ口を少女へ求める若者
(太陽族)たち。そして若者達はなぜか必ず報復され皆、死んでゆく。
川地少年はあくまでもプラトニック。少女との性的繋がりはないが、
深い心の交流がある。最後は鱶の化身たる少女はモリで突き刺され、
川地少年は彼女の正体を知りながら、その愛惜から海の墓場へと向う。
その結末は、、、。
この映画はミステリ、太陽族、禁欲、メルヘンがミックスしている。
石原氏が脚本家として有能であるのは、この作品で立証された。
井川耕一郎の映芸批評の「マゾヒズムの美学」若しくは「太陽族ホラー」は、
かなり的外れであり、「ストイシズムのメルヘン」がまっとうな観方だと思う。

27 :名無シネマ@上映中:04/02/07 22:31 ID:O0wq8/po
>>26
長すぎ。なのに、なんで影の主役の内田良平を論じないの?
俺も映芸の「マゾヒズム」論を読んだ。評者のアフォは>>26に同じ。

28 :名無シネマ@上映中:04/02/08 01:31 ID:cmE20k22
みんな蔵原のデビュー作にして傑作「俺は待ってるぜ」を何で論じない。
作品の時系列でのカキコはそれなりに、毎日楽しみにしている。
俺は待ってるぜは、蔵原のその後を暗示した作だようん。
モノクロでメロドラマだけどね。

ラストのエンエンと続くアクション、スタイリッシュだった。日活アクション
ンの形を決めた大傑作だ。


29 :名無シネマ@上映中:04/02/08 15:48 ID:AF+Id81S
みんな順番にかくので、「地獄の曲り角」だな。
作品の質は蔵原作品では上の下くらい。
んで、今回の「地獄の曲り角」はネットでは誤りだらけ。
つーのは、馬場当脚本と記述する誤りが散見。
実は、山田信夫と馬場当の合作のホン。
原作は藤原審爾(秋津温泉)、娘は今の藤真利子です。
 このシャシンは、社会派ミステリっぽい。
 この作品から撮影に間宮義雄が参加、蔵原ー山田ー間宮の黄金のトリオとなる。
主演は葉山良二、南田洋子。稲垣美穂子が初々しい。
 映像はダイナミックで、移動クレーン使用などで、画面構成の冴えが光る。
 この後の7−8年間の17作で、作家として壮絶な憤死、
そして超娯楽大作で灰の中から復権するが、映画芸術として語れるのは
「愛の渇き」でおしまい。

30 :名無シネマ@上映中:04/02/08 22:43 ID:9JHtAOY3
ワリーが逆から攻めるぜ。「ストロベリーロード」だけ未見。
俺も「愛の渇き」以降かなり厳しい観方をしておるが、
「海へ See You」は晩年では評価する。原案はミステリ作家、
ジョゼ・ジョバンニ、脚本は倉本聡だから、最後の勝負だったろう。
アップが遅れ遅れで宣伝も出来ず。
 俺はパリダカなんぞ知らないが、冒頭からバター臭いタッチで、場面展開
の切れ味よろし。滑り出し好調だったよ。カッティングもまさに洋画。
 いしだあゆみのハイヒールがとんだり、健さんと女優役の桜田淳子の
コーヒー飲みながらの語らいは、シミジミとした西部劇の香りあり。
 レース展開はお得意のドキュメンタリーで、時間かけて整理すれば
かなりの出来になったと思うよ。大好きな編集期間が殆どゼロに近かった
のと違う。


31 :名無シネマ@上映中:04/02/09 15:26 ID:bAQVspBc
「海へ See You」の砂漠のラリーの撮影、
そうとうお金かけたみたいだね。
晩年では、「海へ」「春の鐘」「南極物語」はそんなに悪くないよ。
最悪は「雨のアムステルダム」、「青春の門 自立篇」、「道」だな。

32 :われらの時代1:04/02/10 00:42 ID:VPekCP/Q
大江原作、白坂依志夫脚色の「われらの時代」でござーい。公開は1959年、
この年蔵原監督、年5作のペース。
ちょうど60年安保の一年前だ。この頃は、石原慎太郎主宰のグループは、
大江健三郎、江藤淳、羽仁進、大島渚、寺山修二、武満徹、浅利慶太など錚々
たるメンバーで形成されていた。今のなれば、右・左はなかったが過激でした。
もちろん、みな安保反対論者で、一番過激は石原であった。これは終戦の時の
年令で区分される。学生運動の挫折、思索にとむものを勝ち組、行動派を
負け組みにした排中律の映画でした。敗戦当時の時代背景は、
丸山真男は30代、三島由紀夫や吉本隆明は20代、石原らは10代
であるから、直接的な戦争参加はない筈だ。
石原と大江が袂を分かつのは、60年代以降である。
尚、脚色の白坂依志夫は大島組の田村孟、石堂淑郎たちと較べると、
繊細で作家寿命こそ短かったが、慎太郎物の究極「完全な遊戯」、
同じく「素晴らしい悪女」(恩地日出夫監督)=これぞ和製シネマベリテで、
団令子に本当に牛を殺させようとしたとかが話題になった。
他に、大江の「飼育」(大島渚監督)、「白昼の襲撃」(慎太郎と一橋大学で
同窓の故西村潔監督(異端の作家=変態)あたりまで活躍、



33 :われらの時代2:04/02/10 00:44 ID:VPekCP/Q
1970年以降は失速していった。マクラ長すぎ。主役の長門裕之は大学生で、
同棲中の女がいる。
弟の小泉静夫はジャズバンドに入れ込んでいる。そして弟のたのみで、
クラブ歌手の吉行和子にフランス語の家庭教師となる(このへん東大仏文の
大江とダブる)。長門は懸賞論文で入賞して、パリ留学の夢がある。
弟はトラックで、日本中のバント演奏の旅を夢見ている。そのうち、
長門は弟が同性愛である事を知り、衝撃をうける。
一方で、吉行と関係し妊娠させてしまう。しかし、吉行は結核となり、
長門と無理心中を図るが、未遂に終わる。こうした物語進行の背景として、
60年安保直前の学生運動やコミュニストなどが背景として描かれ、
死ぬ気にもなれない長門は、深い閉塞感のなか、いきてゆくというお話。
 あたしゃ思うんだが、故田山力哉も書いていたと思うが、
蔵原の出生はインドネシアの旧ボルネオでしょ。
 デビュ−作「俺は待ってるぜ」から、一貫しているのは、「何かを待つ男」
であり「外国願望」「日本脱出」がある。国際的な遊牧民だ。
このさき「メキシコ無宿」「憎いあンちくしょう」であれ、後年の数々の
駄作「栄光への5000キロ」、「雨のアムステルダム」、パリダカール、
南極まで行ってしまうもんね。
 それが、タイトルバックのモダニズム、モダンジャッズのセンス、
即興感覚(インプロヴィゼーション)、外国映画風の映像と深いところで
切り結ばれていると思う。


34 :名無シネマ@上映中:04/02/12 01:12 ID:AkLqFMEQ
「ある脅迫」(SP映画)は「硝子のジョニー」と並ぶ蔵原(33歳)
の埋もれた屈指の大傑作であります。この作品を序章として、この後の5−6
年が彼のピ−クである。原作は玄人好みのミステリ作家多岐川恭の短編。
フランスのフィルム・ノワールの味わい、ピカレスク・ロマンである。
J.P.メルヴィルににているという論評があるが、テイストが全く違う。
メルヴィルそっくりさんだったら森一生でしょ。最も森も別な味があるし、
「ある殺し屋」が似てただけか?おっと、脱線、脱線。こういう作品(65分)、
つまり本当の添え物だと、蔵原の実力が顕示される。
チェックも甘いしローコストだし、プロデュ−サ−だってそのあたりおおらか
だったんでしょうね。
さて本題、主役の金子信雄vs西村晃の確執、短いカットバックを積み上げ、
その表情がパッパッと鮮やかに映し出される。この画面構成と切り返しの妙。
抜群の切れとセンスを感じた。だって、ト書き三行が70カットだそうな。
尋常じゃない、フィルムがよほど好きだったのだね。

ネタ割リになるので詳細は控えるが、ある伏線が演技と重層して演技が伏線
となる。そしてラスト数十秒であっと驚く、サプライズ・エンディング。
ゾクゾクしたさ。堪能です。


35 :名無シネマ@上映中:04/02/12 23:21 ID:RpI3y7uh
既出だけど、「道」。A.ヴェルヌイユ監督の傑作「ヘッドライト」のリメークだ。
J。ギャバンの初老の長距離トラック運転手は、仲代達矢。
アルヌールの女中役は、ドライブインのウェートレスに変更して藤谷美和子。
撮影はなんと「愛の渇き」以来の間宮義雄。実に二十年ぶりの再会。
 結論は空前絶後の駄作に終わった。その理由は松田寛夫のホンと、
大根役者仲代に数多く起因する。藤谷の情緒不安に蔵原辟易説もある。
 筆者は事情がどうであれ、藤谷には違和感がなかった。親子以上年の違うカップル
だが、二人がじゃれあうときの仲代は滑稽というより、醜悪であった。
 演出は一本の桜で四季の移ろいを描き、米子のドライブインの名前も
「さくら」で、米子から境漁港までの観光的な趣がありました。
ドライブインのマスターの若山富三郎、生活に疲れた池内淳子、
儚げな藤谷も悪くない。
 圧巻はやはり、寂寞感が横溢した間宮映像にドドメを刺すでしょう。
空前の駄作とはいえ、それは、さすがという一瞬の切れはありましたが、
かなり点数は甘い。 

36 :名無シネマ@上映中:04/02/13 03:19 ID:oK3eSm3U
相米監督が「硝子のジョニー野獣のように見えて」を、
邦画ベスト10にいれているのを蓮實スレで見っけ。
相米も鑑賞眼あるんだと思った。

37 :名無シネマ@上映中:04/02/14 00:18 ID:7w5qARy2
 春の鐘、これが駄作オンパレードの「愛の渇き」以降では最高傑作。
寂しいが故田山力哉がキネ旬のベスト1にあげていた。自己韜晦で複雑でつ。
原作は立原正秋の駄作、というか全くの娯楽小説。
 ただ、季節の移ろいと道行という滅びの美学のようで、明るい作品に
仕立て直した。これは意見がわかれる処でしょう。
 繚乱と咲き誇る桜吹雪を遠景とした、オヴァーラップの積み重ね、
絢爛たる美。素晴らしい。古手川祐子も最初で最後の名演。全力投球でした。
他方、北大路欣也はおそろしくヘボでした。相性がわるかったかも。
 不倫ものといえば簡単ですが、やはり工夫が凝らされている。
三田佳子名演で、あっと驚くシークエンスもあった。マニアックといってよい。
 藤田敏八や蔵原も登場の楽屋落ちは、かなり白けましたな。
蔵原がドキュメンタリーでなく、情念の作家をマニフェストした作品として、
再評価には値する。ラストの、鹿が走るシークエンスと出直しを決めた
古手川のショットはちと感心できなかった。映像テクはかなりふんだんだが、
核心を捉えそこなった作。小津みたいに居酒屋シーンが的確であれば、
もっともっと上位の作品でした。この採点は辛口かな。

38 :名無シネマ@上映中:04/02/14 18:58 ID:6CdOCL3j
>37
チョット、読みにくいがそうさな。胴衣だ。
俺は野上龍雄は評価していない。やっぱ、山田の信さんシンパだ。
けど、蔵原が遺作は「風の盆恋歌」と決めてた事。
わかるよ。俺にも愛惜の念があって、さぞ無念だったと思う。
資質は増村と同等か、それ以上なのに、「南極物語」の作家で終えるのは、
胸が痛む。合掌

39 :37:04/02/14 19:23 ID:6CdOCL3j
やっぱ、厳しすぎだった。

40 :狂熱の季節1:04/02/17 01:26 ID:zIIRC+ba
「狂熱の季節」大好きだ。原作:河野典生、脚色:山田信夫、撮影:間宮義雄、
音楽:黛敏郎のスタッフ。河野典生は生島治郎、結城昌治、三浦浩と並ぶ正統
派ハ−ドボイルド作家で、より文学的芳醇のかほりが高い。この作品は全作品
を通じて、一番ヌーベルバーグの影響が色濃い。その売りで上映許可だそうな。
従って、プログラム・ピクチャーの枠組みの中で独自の前衛性を巧みに収斂さ
せた「憎いあンちくしょう」と似て非である。先ずタイトルバックが格好いい。
モダンジャズに乗せて手書きタイトルが現れては、イレーズされてゆく。
 移動クレーン、手持ちカメラによる突出し映像もアナーキックですらある。
ここが評価の分かれるところだろう。カメラの動きだけで漏れは喝采ですた。
 川地民夫と郷えい治(宍戸錠の弟)は少年鑑別所出身。外人相手に売春をし
ている千代侑子を救い出す。
川地を鑑別所に送り込んだブンヤの長門裕之と長門の恋人松本典子を探し出す。
川地は松本典子を強姦して妊娠させる。真っ白なブラジャーがまばゆく美しい。
パン屋の郷は千代と関係し、やがて暴力団組員となる。
千代は川地を売った長門裕之を誘惑し、恣意的(?)に妊娠する。一方、郷は
ヒットマンとなって暴力団の大幹部と刺違えて、死んでしまう。
画家の松本典子は川地に殺意を抱くが軽くかわされる。
そして深い虚無感の渦の中で、川地と千代は感傷とは無縁に不敵に笑い続ける
のだった。以上があらすじである。


41 :狂熱の季節2:04/02/17 01:27 ID:zIIRC+ba
 この物語は慎太郎の「完全な遊戯」に似て、およそ不道徳である。
一切の感傷を排除している。かくもアナーキーな作品は芸術たりえるか?
川地はかなりアブっぽい。ひ弱で華奢であるが端正な顔は無表情で、
実に酷薄である。今日的にいえばどこか壊れている感じが何ともリアルだ。
そういえば「野獣の青春」ではオカマのヤクザだった。これも凄い。
 好みはともかく前衛性では、蔵原ははるかに清順を凌駕している。
また、この映画のような鮮烈で華麗なタイトルバックの日本映画は、
今もって知らない。
映像とビーバップ(ジャズ)がこのように見事に融合させた映画も知らない。
渋谷駅前、江ノ島の映像はまさにシネマヴェリテで、珠玉の映像が満載。
 大人は判ってくれないと同様、ラストは突然のストップモーションで終わる。
この作品はゴダールを超えている。


42 :名無シネマ@上映中:04/02/17 12:36 ID:jUrb14fA
マニアックなスレですなあ。

43 :名無シネマ@上映中:04/02/17 12:39 ID:jUrb14fA
この映画のタイトルバックは日本人では撮れない。
超スタイリッシュ

44 :名無シネマ@上映中:04/02/17 21:28 ID:jUrb14fA
順番では「破れかぶれ」だよね。原案:山崎巌、脚本:山田信夫、阿部桂一、
撮影:間宮 音楽:佐藤勝、スクリプター:斉藤耕一 
 この映画で、蔵原=山田信夫=間宮義雄が定着したきがする。
何せ、本品はSP映画(68分、モノクロ)ですがね。会社と距離をおいたのかな。
日活方針の青春映画路線へのアンチだね。
おおよそは、川地民夫と渡辺美佐子の任侠メロドラマみたいな印象だったよ。
つまり、バーのマダムの渡辺が川地に尽くしに尽くし、
川地もそれに応えようとするが、いつも横槍が入り、その誤解の累積で、
最後の出入りに赴く任侠の世界って感じ。
全体のトーンは「狂熱の季節」同様、エキストラを使わないシネマヴェリテ
タッチで、即興そのもの。川地によれば全て盗み撮り、オートバイで信号無視
で走る。これ、即興でやったという。(映芸、404、p.8)

余談をカキコ。原案の山崎巌は、脚本家では斉藤武市監督と名コンビで
旭の渡り鳥シリーズを確立、その原案は元自民党最高顧問の原健三郎氏。
阿部桂一は、蔵原作品では、「ダイナマイトに火をつけろ」で、
池田一郎と共同脚本。
この作品でも、蔵原のコスモポリタニズムは半端ではない。
改めて再確認した。蔵原の小佳作(並みの監督なら傑作)でした。



45 :名無シネマ@上映中:04/02/18 11:57 ID:VmyXaZWU
 山田信夫は憧れの的だった。観念的だが、いかにもというホンが多い。
 田村孟よりも評価してた。勿論、石堂淑郎なんぞ論外である。


46 :この若ささ、その一:04/02/18 23:45 ID:ho8FxPqm
この若さある限り、原作;石坂洋次郎、脚本;岡田多門、撮影;間宮義男

 この作品も佳作のSP(75分)映画でである。
 高三の浜田光夫と吉永小百合の家はお隣。小百合は浜田が好き。浜田は古文
の女教師吉行和子に夢中。そして、浜田は吉行先生にラヴレターを書く。
そして翌年、浜田も小百合も、大学合格。
吉行先生には、大学講師の内藤武敏の婚約者がいた。
 後のにっかつ(日活とは違う)「女教師」シリーズの原型。
 吉行先生は内藤には体を許していない。そして、吉行先生も浜田の激情に
押し流されてゆく。浜田は、夏休み、銚子へ。
 一人旅に出た吉行先生を追い暑い夜、吉行先生の宿で、
蚊帳の中でお互いの肉体を求め、二人は激しく抱擁する。リアルで官能的。
お互いが本気になるプロセスが生々しい。
なにぶん、
慣れていない浜田は蚊帳が乱れ、もつれ合い、落ちてきた蚊帳に
浜田は絡まり吉行先生は笑ってしまう。
 傷ついた浜田は夜の大雨の中、海に向かい走り吉行先生も後を追う。
吉行先生は浜田に告げる。
「私たちは肉体が求めただけ」。それは違った。肉体を求めたのは
内藤婚約者であり、
吉行先生と浜田は精神世界での繋がりからの求めであった。
 この当たりが銚子の海と宿が鮮烈となって浮き上がる
 やがて秋が訪れ、吉行先生は内藤婚約者と結婚を決意、
浜田と小百合も仲直り。エンディングは並木道を浜田と小百合が
並んで歩くが、浜田の心は鬱屈していた(ハズ)だ。
以上があらすじである。

 

47 :この若さ、その二:04/02/18 23:47 ID:ho8FxPqm
 何分、中三の頃、テレビで観たので記憶がかなり曖昧で、その部分は、
濱崎博照(1997.5.24)の要約で補整している。
 さて多くの人は蔵原にしては平凡という。アッシには、
青春の入り口での衝撃であり、レクイエムでもある。もう一つ、
この作品は、浜田主演で小百合は完璧なまでに脇であることに留意されたい。
監督の意図は、浜田ー吉行ー内藤のトライアングルが演出主眼であった。
 小百合抜きであれば、よりよきホンに叩けたと思う。
 モノクロで浜田熱演、吉行先生がミスキャストという説もあるが、
それは的外れである。
 そういえば、早稲田小劇場(2F)の下の喫茶店モンシェリで吉行さんを
お見受けしたがそれはお美しかった。
 この映画は、田園調布近辺ロケだと聞く。当然、駅も出てくる。
 最近、横浜シネマ・ジャックや銀座でも観れるみたい。
もっとリアルにという人もいるが、40年前の映画です。
 私にはとても衝撃的で、淫靡でありました。
 もう一度観ようとは思わない。イメージ壊れるから、、。
 ボルネオ生まれ、被爆、ミッション系の高校、田園調布育ちの監督ゆえの、
蔵原の私映画として高く評価する。


48 :名無シネマ@上映中:04/02/19 00:20 ID:eSOw3dyV
>>46>>47
 この作品は先ずアンチ石坂文学だと思う。
当時の日活の青春映画路線への楔であったような。
 女教師の「秘すれば花」を破壊する名品でつ。

49 :名無シネマ@上映中:04/02/19 00:22 ID:eSOw3dyV
ageてはダメです。

50 :名無シネマ@上映中:04/02/19 00:29 ID:dA26UdOI
浅○ルリ子とやりまくりだったのですか?

51 :名無シネマ@上映中:04/02/19 01:11 ID:eSOw3dyV
>>50
その回答は懐かしい邦画スレの浅丘ルリ子スレで詳しくかかれております。
連連投スマソ。

52 :名無シネマ@上映中:04/02/19 20:02 ID:Ulmjqwd8
昔昔のお話です。日活が再開された頃のお話でござんす。

 当時、松竹大船は新人がかなりきつい感じですた。
 エースや巨匠級は木下恵介、小津安二郎、
吉村公三郎(松竹→大映)、大曽根辰夫(京都)、渋谷実、中村登、
家城巳代治、そして川島雄三がおられました。
 そして、職人作家では大庭秀雄(素晴らしい作品もあり?)、
佐々木康がいた。

だけど、後は頂けないレギュラーがかなりいた。
たとえば、岩間鶴夫、佐々木啓祐、原研吉、高木孝一、
冬島泰三(京都)瑞穂春海、小阪哲人、芦原正などなど。

結局、松竹は玉石混交の監督予備軍のバブルだった。
その上で、助監督にはスクリプター兼務で編集をオブリゲーションとした。
シナリオが書けないと、監督には昇格させないというシステムを確立した。
先達の監督は書けない人いたのに。でもそれは大切な事でもありました。

このシステムは正しいけど、そこで1954年に日活製作再開となります。
そりゃあ、西河克己や、もう監督歴十分の川島雄三を筆頭に助監督の中平康、
鈴木清太郎(後に清順)、斉藤武市、今平、蔵原など引き抜かれて当然です。
だって、清順の同期は斉藤武市、中平康、松山善三でしょう。
蔵原の同期は、神代辰巳、松尾昭典ですよ。
まして、蔵原は松竹京都だから、時代劇でハンディあったし、山本嘉次郎
の書生でしたから、本当は東宝にゆきたかったらしい。
資料無いから、推測だけど、石原均とか山根賛太郎あたりに酷使されたのでは。



53 :名無シネマ@上映中:04/02/19 20:26 ID:Ulmjqwd8
それで1954年に、日活再開で蔵原も移籍。西河克己がスカウトしたみたい。
ワシも調べててみた、たまにはね。「昭和が明るかった頃」(関口夏央著)
を参照下さい。
1955年での「生きとし生けるもの」西河克己監督で、助監督をやってるね。
原作が山本有三だから、何気に西河らしいよね。
西河は松竹時代から監督であり、原→渋谷実→中村登に師事していた。
ホンは橋本忍、助監督がチーフ中平康、そして蔵原、浦山桐郎という豪華スタッフでした。
映画は未見です。
1956年にも2作ある。
そして、紛れ模様になるのは、1955年に藤田敏八が日活に助監督採用されるわけ。
1956年は「勝利をわが手に」で、鈴木清太郎(清順)が監督デビューする。
青木光一の歌謡映画だと聞いた。それも見てない。
脚本;中川順夫と浦山桐郎、助監督がチーフが蔵原で、助監ナンバーは、
フォースくらいだろうが日活プロパーの藤田も参加したみたい。
 しかもなんと田坂具隆が監修した(名目だけだろうが当時でも大家)そうな。
あな、恐ろしいメンツです。
清順も渋谷実→中村登に師事、西河同様、松竹大船の保守本流であったが、
松竹時代は助監督のママであった。
 藤田は蔵原か滝沢英輔に師事、神代は蔵原か斉藤武市に師事したみたいです。

で、次が「狂った果実}(1956)で、中平康の監督デビュー作品で、
蔵原はチーフ助監督、中平、蔵原はともに、松竹移籍組で、年令も中平が一才上
でした。「狂った果実」はフランスのヌーベルバーグへかなりのインパクトを
与えた。後年、蔵原自ら、有名な海とヨットのシークエンスは、
私が撮ったというし、それはいろいろなところでスタッフが証言している。
原作・脚本の慎太郎もまた中平監督には、独特な依怙地があり辟易したそうな。
 駅の改札をとびこえたりするシークエンスは、弟のアイディアであるとのべる。
その後の映像感覚や現場シャシンから、ヌーベルバーグが驚愕したカットは、
蔵原が手持ちカメラで撮ったのは間違えない。(映芸404、p.26,荒井発言)

 しかし自分で言うの蔵原らしくないし、語るにおつる気もするが。

54 :名無シネマ@上映中:04/02/19 20:44 ID:E0jEgEDl
↑は馬場彦弥氏が書かれておる。
「海上でのヨットシーンは監督(中平、カッコ内筆者)とカメラマンの峰重
義さんは陸上にいて、実際はチーフ助監督のクラ(蔵原)さんと撮影助手の
チーフが現場でカメラを振り回してました。」と証言されておる。
 これで証拠は十分でしょう。


55 :名無シネマ@上映中:04/02/19 20:46 ID:E0jEgEDl
 スマヌ、またあげてしまった。

56 :名無シネマ@上映中:04/02/21 00:05 ID:QU9Kj3dM
次に行こう。出来れば、短文がよろしい。が、もう長文で迫力ある
投稿がイッパイあります。マ、ご自由にってとこでしょう。
 不満、コメント書こうと準備してると、話はどんどん先に行く。
結果、見逃しの三振が多い。>>1は少し考慮して欲しい。(w


57 :名無シネマ@上映中:04/02/23 13:59 ID:z/rZF6hF
海の勝負師だな。
出演;宍戸錠、加藤武、中原早苗、笹森礼子、中村是好、
藤村有弘、井上昭文、佐野浅夫など。
企画;ターキー、脚本;山田信夫、撮影;間宮、音楽;佐藤勝
 いつもながら、なんとも垢抜けたタイトルバックです。
 潜水夫さがしに大島から来た二人組みが島に上陸。
港は込み入ってて、ジョー探しの中原早苗が登場。
男と中原いくつかのセリフのやりとりがあって、
突然、女と踊るジョーが登場。いつもながらのスピーディーで、
映像のダイナミズムはこの監督とだけのもの。
沈没した船のサルベージ作業過程で、
ダイナマイトを爆発させた過去を持つジョー。
 ジョーこと宍戸錠は凄腕の潜水夫。先の事件から「卑怯者」の烙印、
港から港の流れ者となってしもうた。
そんな折、さきのオトボケ二人組みから大島行きの打診、喜んで承諾する。
 その過程で、アル中の潜水の神様が加藤武。カッコよいのよ。
 なにやら、遙かに遠くかすんだ月夜がただれてみえる。

 これ、今思うと、ギャビン・ライヤルの冒険ミステリに、
似た話がなかったっけ?否、あったよ。タイトルは忘れたけど。
 笹森礼子さん、かわゆい。




58 :名無シネマ@上映中:04/02/23 14:00 ID:z/rZF6hF
>>56
失敗した。

59 :名無シネマ@上映中:04/02/23 14:22 ID:Oi/crZju
 

60 :57:04/02/23 21:24 ID:AwsoSC0r
初めての投稿、このスレは正直怖い。
不適切かもしれないけど、異常に詳しいマニアが数人だろう(?)おられる。
 従って、書く以上瑕疵があっては拙いと思って、ググッたりした。
でも、嘘ばっかり。プレスの写しみたいで、あれダメですね。
 こんなに詳しい方達なら、正統的「蔵原惟繕」論を上辞されたらと思う。

61 :名無シネマ@上映中:04/02/24 03:58 ID:qBBrJKVl
>>60
上辞ってお前、上梓の間違いだろ?

62 :名無シネマ@上映中:04/02/25 01:02 ID:S6eYhcix
フフ、友情ある説得に感謝しな

63 :名無シネマ@上映中:04/03/02 17:12 ID:WJuPwFFv
「嵐を突っ切るジェット機」は、絶好調のこの時期では、
やや低空飛行だな。
原作;松浦健郎、脚色;星川清司、企画;高木雅行、
撮影;間宮、助監督;藤田繁夫(敏八)
 お話は、小林旭は自衛隊の曲芸飛行隊のメンバー。
兄の葉山良二は、父の代から引き継いだポンコツのセスナによる家業を、
三流のヒコーキ野郎達と細々とやりくりしている毎日。
そして、兄の葉山は麻薬輸送に手を出し、、、。
脇の話題から、ホンは星川清司で始めてのコンビ。星川は眠狂四郎シリ-ズ
で有名ですな。
この作品は小林旭の航空アクションシリーズの4作目である。
渡り鳥シリーズだけでないのよ、これが。
この話はなんか、トップガンを先どりしていたような印象アリ。
ブルーインパルス(航空自衛隊唯一のアクロバットチーム)もので、
マニアにはF−86F(再塗装前)がみれるので、垂涎ものでしょうな。
当時のブル−インパルスの母基地は浜松基地。
浜松から飛びたって富士山を背景として、編隊だけの訓練飛行の撮影が
見事だった。見所はセスナで逃げる悪者をジェット機での追っかけなのだろうが、
ドラマのつくりに、かなり無理がある。
とはいえ、キムタクや堤真一のGL同様、旭の制服も格好よい。
マ、あの頃、空には夢があった。
余談、私的には、「素晴らしきヒコーキ野郎」(ケン・アナキン監督)が好きだなあ。
石原裕次郎も出演してるしドタバタでもあり、のどかでもあり、
ラモリスと同じくらいのポエムもあった。
昔の空には、夢やロマンがいっぱいあったね。


64 :名無シネマ@上映中:04/03/03 01:16 ID:0CHnVSjq
>>40>>41
 「狂熱の季節」の冒頭刑務所から出所、そして街角のウルトラ
俯瞰ショットに何故、言及しないの?
 あの映画は微細なカット割りとクローズが鋭角的なのは確かだけど、
あのウルトラ俯瞰ショットに「愛の渇きの」のロングショットの原型見っけ
のつもりですが、間違ってますか?

65 :名無シネマ@上映中:04/03/03 19:58 ID:8YkB57ji
 それは素晴らしくも、正しい。

66 :名無シネマ@上映中:04/03/03 20:08 ID:9dpjfMTO
>>65
>1です。
閑古鳥が鳴くスレなので投稿ありがとう。
そこで、お願いです。E−mail欄には、半角でsageと入力お願い。

67 :名無シネマ@上映中:04/03/03 20:09 ID:9dpjfMTO
>>65
>1です。
閑古鳥が鳴くスレなので投稿ありがとう。
そこで、お願いです。E-mail欄には、半角でsageと入力をお願いします。

68 :名無シネマ@上映中:04/03/03 20:12 ID:9dpjfMTO
>>65
>1です。
閑古鳥が鳴くスレなので投稿ありがとう。
そこで、お願いです。E-mail欄には、半角でsageと入力をお願いします。
他の方に、ご迷惑かかるので。

69 :名無シネマ@上映中:04/03/03 20:17 ID:9dpjfMTO
>>66>>67>>68は、
>1の私のチョンボ。>65さん、ごめんなさい。

70 :名無シネマ@上映中:04/03/04 01:13 ID:sUlTXuVo
 狂熱の季節は、今現在、みても衝撃の映画だ。
大島なんざイモだあ。ライバルの増村もここまでは、及ばなかった。
 蔵原というより、蔵原=間宮の映像だと思われ・・

71 :メキシコその1:04/03/05 20:43 ID:oT+cNh1z
「メキシコ無宿」ですが、これほど毀誉褒貶に晒された映画も珍しい。
蔵原の珍品だが、名所や歌と踊りの凡作というのが一般評価でしょう。
 この頃の日活は、裕次郎、旭、錠の海外ロケ進出を企てた。
脚本;前作に続いて星川清司、撮影;レギュラーの間宮、音楽;伊部晴美
 んで、慣行を踏襲して作品紹介します。
能天気でお人好しの危険屋稼業の宍戸錠。横浜の貨物船作業のメキシカンの
友人が殺された。
彼と錠さんは彼の濡れ衣の解明と彼が命懸けで稼いだお金を恋人へ渡す約束を
していた。錠さんは早速メキシコへと渡る。
メキシコに着いた矢先、錠さんは痴漢にされかかるが、笹森礼子により
救済され、笹森は行方不明になった兄を探していた。
 友人のお金は恋人へわたされ、目的地は村祭りの盛り。
錠さん、ロデオや射撃の大会で大活躍。そして横浜で殺された友人の謎を
調べると、前の村長殺害は、金山支配の地主が犯人であることが判明する。
そしてクライマックス。1対1の壮絶なガンファイトのすえ、
犯人は御用となる、お定まりの結末。以上、粗筋でやんす。
 本邦初のメキシコ・ロケ敢行の和製ウエスタンという見方が一般的かな。
興行的には大コケだったと聞く。そりゃあ、そうだろ。
いかにもインチキっぽい三流アクションだもん。冒頭に述べた観光案内風と書いた。
クラさん、手抜きでやる気なしとする向きも多し。実は全く違うんだよね。
これこそ、プログラム・ピクチャーの画期的作品なのだな。
本当は芥川文学を敷衍した革命ドキュメントを隠密裏に企てたのだ。
それが会社にバレて、遊びの極点しかないと居直ったみたいよ。
かつて、現代の病根を切り裂いたH.ピンター=ジョゼフ・ロージー監督が、
突如として産み出した「唇からナイフ」という奇妙奇天烈、
空前絶後の前衛的スラップスティックを撮った時に似ています。
でもこちらが多分先。何故、
かくもエンエンとメキシコシティーの革命カーニバルをドキュメントしたのか?
現地人のスペイン語は全て日本語吹き替えであるが、何故時折、
字幕スーパーだったり、はては現地人が日本語で喋っているのに、
何で笹森礼子が日本語通訳するよの。


72 :メキシコその2:04/03/05 20:45 ID:oT+cNh1z
ポップだよ。成る程そのためにストーリィの詳細はかなり輻輳、ワケワカラン
状態になった。これは認めよう。
 このバカバカしさの徹底追求に瞠目する。アヴァンギャルド的ナンセンス
ギャグなのだ。パートカラーは後のポルノによくあるが、パート字幕はアリで
すか?予算の制約からセット少ないし、ロケ多用はあるかもしれん。だったら、
なんであれだけ手持ちカメラが縦横に動いて、錠さんの素早い動きを圧倒的な
躍動感として描出できるの?はるか先に「陽は沈み陽は昇る」がかすんで見える。
このバカバカしさに抱腹絶倒できないのはバカか、心底、監督の狙いを見定め
ている人だと思う。藤村有弘は例によって、床屋で実は謎の中国人で
「なんなの」人役。切れ味宜しい。突然の「オマエに撃たれたウラミ忘れないよ」
の楽屋落ちギャグが素晴らしい。マジメなお方は、
これを何の伏線もないデタラメという。挫折からの居直り。抱腹絶倒でした。文芸座でも大うけですた。
酔いどれ医者の葉山良二とて、「荒野の決闘」のビクター・マチュア風で、
本品こそ、蔵原監督の代表作といえよう。この作品の錠さんは、
妙にパンチョ姿が似合っています。いかにも、ウエスタンの錠さんでした。


73 :名無シネマ@上映中:04/03/05 22:53 ID:grS92gtX
後ろからの攻めでは「南極物語」だが、痛い。
脚本:蔵原惟繕、野上龍雄、佐治乾、石堂淑郎、撮影:椎塚彰、音楽:ヴァンゲリス

 この評価はつらい。興行収入がけた外れ、「キタキツネ物語」以来の、
フジ=サンケイグループの映画です。商業主義がミエミエ。
 はっきり申せば、俺は蔵原は1967年の「愛の渇き」で作家的に死んだと思う。
でも好きだから、その後も全て観続けている。
 タロとジロの犬の映画だが、氷の世界を疾走する犬達を超ロングで、
雄大な風景の中、空前のスケールでドキュメンタリータッチで撮影しておる。
 ヴァンゲリアスの音が重なって、厚みがありこれはさすがです。
 ただ、致命的にドラマが減衰しています。
稚内での荻野目慶子と健さんとのやりとり、
京都の祇園祭での渡瀬と夏目雅子とのやりとりは緩い。
このベタはフェータルである。
 但し、オーロラのショットはため息が出るくらい感動した。
蔵原はやはり、マニアックであった。病体は無関係だ。
それだけは、褒めたい。

74 :名無シネマ@上映中:04/03/05 22:55 ID:grS92gtX
もう少し、丁寧に褒めるべきだったかも。デモ、ホンネだ。

75 :名無シネマ@上映中:04/03/06 02:11 ID:+uLNQP5I
>>73
本当の意味で、シャープな監督だった。
だから最短でピーク近くまでいかれた。「愛の渇き」の後に、
浅丘ルチ子さんと岩下志麻さんが共演する企画があったが、お流れ。
残念。
前に誰かが、このスレに書いておられたが、
「南極物語の蔵原惟繕監督」というのはむごいね。寂しい。
でも、南極物語は晩年ではというより、「愛の渇き」以降では、
カメラワークの冴えは素晴らしいよ。あのご年令で心臓を病んでたとなれば、
晩年の黒澤よりすばらしい。ダメな期間はながかったけど、
弟分の深作より好きだ。南極も、映像に迫力があったと思う。

76 :銀恋一:04/03/07 20:28 ID:klQ/+ANh
「銀座の恋の物語」脚本;山田信夫・熊井啓、
企画;水の江滝子、撮影;間宮、音楽;葛木創、
助監督;西村昭五郎

 この映画は日活B級プログラム映画史上燦然と輝く大傑作である。ターキー
さんの粘りで、蔵原監督も不承不承撮った映画ですが、彼の代表作になった。
 石原裕次郎は画家の卵、ジャズ喫茶のピアノひきジェリー藤尾と銀座裏の
屋根裏部屋で同居。ボヘミアン生活をしている。
裕次郎は天涯孤独なお針子の浅丘ルリ子を愛している。裕次郎はルリ子の
ポートレイトの作成に没頭していた。ジェリーはバーテンたちの企てで、ピアノ
弾きをクビ。裕次郎はルリ子との結婚報告をするため、信州の母のところへ
行く。旅費稼ぎの為ルリ子のポートレイトを清水将夫画商に売却する。信州行き
の当日、新宿駅へと急ぐ途中で、ルリ子は車にはねられ、消息不明となる。裕次郎も
ジェリーもヤケクソになり、ピアノを回収にきた月賦屋を殴って留置所送り。
やがて悪の道に走ったジェリーは豪華アパートに住み、裕次郎が売却したルリ子の
ポートレイトも所持していた。そんな折、裕次郎はデパートに流れる鶯嬢に
なったルリ子の声を耳にする。ルリ子は先の事故で記憶喪失になっていた。
一方、ジェリーは偽造ウイスキー製造で警察から追われていて、そんなある日、
ルリ子を訪れポートレイトを渡す。さて、その先は如何に。記憶は戻るのか?






77 :銀恋二:04/03/07 20:52 ID:klQ/+ANh
以上があらすじ。まあ、この作品を何回見ただろう。思い出深いショットがたくさん。私は
Vを持たない主義で、記憶だけが頼りで、ネット検索から情報付加している。
黎明の銀座道り四丁目の交差点で人力車を引く裕次郎を新橋の花柳界迄手持ち
キャメラが追いかけてゆくタイトルバックが秀逸。都電の線路、森永の広告塔、
不二家、松屋デパートが懐かしい。ウェルメイドである。
下宿先の屋根裏部屋でジェリーが「あの歌」をポロリと弾くと、そのままカメラは
窓を接した洋裁工房をとらえ、ミシンの音がリズムを刻んで、和泉雅子が次を
口ずさむ、ワンカット。
 洒脱なミュージカルじゃんと思った。トランペットをふく青年のショット。
洋裁工房を下から見上げるショットは「ウエストサイド」を彷彿とさせた。
 裕次郎がルリ子のポートレイトを画商に売却するのに、ルリ子は額を買う行き違いは
オー・ヘンリーの「賢者の贈り物」のテイスト。
 夜のデパート(旧、松屋)の屋上での電飾の白熱が繋がってゆくショットは
鮮烈で、垢抜けた感じ。だんだんよくなる法華の太鼓だわ。


78 :銀恋三:04/03/07 20:54 ID:klQ/+ANh
そしてルリ子が記憶を取り戻そうとする葛藤、新しく芽生えたお互いの愛を確かめながら、
過去の追憶を重ねてゆく。このプロセスが甘美にしてサスペンスフルで、
BGMもかなり凝っている。まるで、J・ヒルトン原作=M・ルロイ監督の「心の旅路」
の記憶喪失のスミスと踊り子ポーラが逆になった趣あり。小道具のオモチャのピアノ、
伏線のはり方もセンスよし。この映画は裕次郎もよいが、愁い、
薄幸(空襲で両親を失い天涯孤独)、かつまた記憶喪失になったルリ子はとても美しい。
ジェリーも「地平線がぎらぎら」(土井通芳監督)と並ぶハーフの役を熱演。
ラストの群集の中にサラリと映し出される江利チエミは愁いがあり、余韻に残る。
この映画こそ、蔵原=浅丘のある意味では凝縮された関係を暗示している。
そこで、映画史的総括。「赤い波止場」(舛田利雄監督)がその嚆矢といえるが、
本品は日活ムード・アクションの流れをつくった一大メルクマールであり、
旭ールリ子路線から、裕次郎ールリ子路線ヘのパラダイムシフトである。水の江が
蔵原を口説いた時蔵原は渋ったという。だから、力まない傑作が産まれた。
なお、「銀恋」は「街から街へつむじ風」(松尾昭典監督)の挿入歌です。

79 :名無シネマ@上映中:04/03/07 23:24 ID:bBujytJ9
>>76>>77>>78
本当ですね。この監督は日本的感覚では、ないです。
ジャック・ドミー=ミッシェル・ルグランの「シェルブール」とか
「ロシュフォール」みたいなのが撮れたね。音楽は勿論、中村八大でさ。


80 :名無シネマ@上映中:04/03/08 19:15 ID:NweDIpIY
今日は暇でしたので、このスレの全文を拝読した。
何故なら、私こそが蔵原惟繕監督の大ファンを自任していた。
ところが、上には上があります。スレ読んで瞠目しました。
 マニアック、これは褒め言葉ですが、vもないのに皆、詳しいですね。
それぞれの作品評には濃淡があるが、切れのよい書き手が数名おられます。
んで、勉強にはなりましたが、他方、排他的な印象を持ちました。
 作品の粗筋を述べ、そのテクニカルな観察、作家の内奥への斬り込み
の形式があります。それも、かなり長広舌だから、当然、長文ばかりです。
 濃すぎで、もう少しいい加減でないと窮屈ですよ。
 軽い2〜3行のコメントがしにくいので、ご検討あれ。
 内容は文句なし、水準は最高峰に近いけど、息が詰まるよ。
 私としては、全ての作品のレビューの後で瑣末なコメントを書くしかない。
ただ、映画史的なスレとしては高く評価します。
 本当はあれやこれやとつっこみたい。できれば、その方が楽しいと思う。

81 :名無シネマ@上映中:04/03/08 19:18 ID:NweDIpIY
スミマセン。ageてしまいました。
sageと入力します。反省しばし。

82 :名無シネマ@上映中:04/03/15 07:43 ID:kcPtJgPG
それにしても、「陽は沈み陽は昇る」ってマジメに撮った作品だろか?

83 :名無シネマ@上映中:04/03/15 13:05 ID:1JHnqOe2
>>82
日活をやめて2作目ですね。「栄光」から始まるロードムービーだけど、
「陽は沈み」は確かにできはよくないな。「海へ See You」よりも下。
日活はもうロマンポルノ時代でしょう。製作・配給は日活だから、
必死だったとは思うが・・・

84 :名無シネマ@上映中:04/03/15 16:20 ID:ONeU9c4R
「雨のアムステルダム」とか「青春の門 自立篇」とか、
なんか投げやりなんだよな。やってられねえよみたいな・・・。
蔵原って、そういうとこあるんだよ。

85 :名無シネマ@上映中:04/03/16 22:12 ID:GAO/NvWb
ふむ、んだね。

86 :名無シネマ@上映中:04/03/19 21:22 ID:m1GWU3LD
テレビだけど必殺仕置屋稼業はどうですか?
メイン監督でしたが

87 :名無シネマ@上映中:04/03/19 23:20 ID:4LxkH3q1
俺の意見ですよ。
「必殺」シリーズは全盛期の映画と較べればずっと落ちるけど、
「陽は沈み」がイモ映画だったでしょ。その直後くらいですね。
なので、楽しみにしてたし、シャープな映像もあったよね。
テレビは「すばらしい世界旅行」だけで、でもあれはドキュメンタリー
だから、仕置屋稼業は初めてだから、かなり気合が入ってたかも。

これは、教えて欲しいのだけど、古谷一行の横溝シリーズのタイトルバック
の監修は彼ではなかったかしら?

88 :名無シネマ@上映中:04/03/20 11:32 ID:0KN99tG4
必殺からくり人・・って、神代がホンを書いてたな。
違いましたっけ?

89 :憎いあン(1):04/03/22 21:18 ID:SO8tGCPB
「憎いあンちくしょう」評であります。
脚本;山田信夫、撮影;間宮、音楽;黛敏郎、美術;千葉和彦、
企画;水の江滝子、助監督;木下喜源・藤田繁夫(敏八)

蔵原=ルリ子ファンの2/3はこれを代表作という。確かに大傑作である。
なので、今回は少し技巧的な分析(?)も後で行いたい。
石原裕次郎はラジオDJ(放送作家)のマルチタレント。
浅丘ルリ子は才気活発なマネージャー兼裕次郎の恋人の現代女性。二人は倦怠の日々。
「ある瞬間」があるまで、プラトニックな(=キスもしない)関係を約束していた。
横糸で芦川いづみは恋人の九州の片田舎にいる辺境医師、小池朝雄とは二年間も
あわない遠距離恋愛。そんな時、裕次郎はネタ探しから、
「ヒューマニズムを理解できるドライバー求む。中古車を九州迄運んでもらい
たし。ギャラ無し」との新聞の三行広告を発見する。
広告主は貧しくも心豊かな芦川いづみであった。
田舎の診療所では、どうしてもジープが必要であった。芦川はそのために、
お金をためたのだった。
DJに退屈していた裕次郎の心に火がついた。裕次郎はラジオの本番中、
ある衝動に駆られていた。そして本番を投げ出し、中古ジープを駆り、当該ジ
ープを九州の熊へ陸送するため、ひた走る。
マネージャのルリ子はジャガーで裕次郎を追う。
局は現金にも、長門裕之ディレクターの知恵で、美談としての「純粋愛」テーマ
の新企画に仕立て上げ、これまた裕次郎を追う。
ジープで走る裕次郎、ストーカーと化したルリ子、そして局もまた裕次郎を追い
かける。福岡では山笠祭り、阿蘇の噴火口を越え、裕次郎はジープを芦川と小池
のカップルへ引き渡す。
さて、裕次郎とルリ子のこの先はどうなる?
以上が、あらすじである。





90 :憎いあン(2):04/03/22 21:30 ID:SO8tGCPB
この作品は、蔵原作品中プログラムピクチャーのパラダイムを踏まえて、
比較的破綻なくエキサイティングかつエモーショナルに描かれた傑作である。
以下の視点から解題を行う。
(1)主題
現代(製作年当時)における、愛のあり方についての探求。
当時とて、かなり青臭いテーマである。愛のあり方を巡り、葛藤、焦燥、
カッとした一人ぼっちの怒り、孤独等々が、ギラギラした形で問われる。
不毛な愛なのか、見失いかけた愛の復権なのか、
それとも「純粋愛」は不滅なのかの問いである。
冒頭、当節ではデカパンツ(=下着)まで見せたルリ子VSおしとやかな
芦川いづみの対比が際立っている。何せ「真実の愛を確かめるために、
男は1500キロを突っ走る!!」が当時の惹句である。
シナリオによると以下の記述がある。(お暇な方はVでご確認)
「失礼な質問ですが、自分たちの愛を一瞬でも疑ったことはありませんか?」
芦川いづみは次のように答える。
「愛は信じるものです」けっ、山田も山田だが、この訳知りの芦川は許せん、
と思った。しかし、ルリ子は「才気走った気が強い生意気女」から、「い
じらしく愁いある、男にとって些か都合のよいイイ女」へと、移行してゆく。
ここでの結論。表向きは、ストイシズムを基礎とする戦前的モラルと対峙する、
アナーキーな性の中での新しい愛の形の対比図式が浮上する。
が、戦前型「純粋愛」は不健康かつ歪められた美徳であり、これを創造的破壊
する新しい愛の形にこそ、真の「純粋愛」がありえるというメッセージだと受け止めた。
その意味では、前者は偽善であり、後者こそ真実である。
となれば、山田脚本は戦前的モラルへの見事なアンチテーゼの思想を生み出し
たと考えてよいだろう。同時代の吉田作品の古典美「秋津温泉」とは対極ながら、
双璧をなす大傑作である。




91 :憎いあン(3):04/03/22 22:03 ID:SO8tGCPB
(2)画面構成とロードムービー
この作品も、いつものようにタイトルバックから、ハンドカメラ多用で格好が
宜しい。心底、ゾクゾクしました。映画のタイトルのネーミングも格好いい。
冒頭、裕次郎が深夜のラジオ局から出て来てスポーツカーを疾駆、自宅マンションで
シャワー、突然のストップからクレジット。これは毎度だが天性でしょう。
クラブのツィストの場面は若者は白けたというけどしょうがない。雨に打たれた
ルリ子が脱衣するシーンは蔵原ならではで、普通、ここまで微細に撮らない。
この室内シーンでは、裕次郎とルリ子は交互に360度パンというより、スパイラル的
なパン。しかも手持ちでダイナミック、痺れた。
オープンのまま疾駆するジープは(三菱ジープJ10型)、追いかけるジャガー(XK120ロードスター)。
いつにもまして、スタイリッシュな映像とモダニズム、快調であります。
映画の中盤以降は、完全なロードムービーでありんす。時代的には「イージーライダー」、
「真夜中のカーボーイ」も後の作品。とりわけ真似たわけではないと思うが
「バニシングポイント」(R.サラフィアン監督)はコピーといわれても、
後の作品だから文句はいえまい。箱根、名古屋と国道1号線を下り、京都三条
大橋、東寺、明石のフェリー、岡山、尾道、関門、博多、そして熊本。
特筆すべきは大阪駅の大群集の裕次郎は、ビルの屋上からの俯瞰でエキストラ
はなく、シネマヴェリテです。
雨は降り、ジープは故障、ジャガーは山道で崖から転落。
ダイナミックな映像だから、恋愛映画でもスペクタクルとなり、
たぎる緊張感が映像を貫いている。シナリオ設計上、長門裕之ディレクターの
「ヤラセ」、その美徳と売名の交錯など、今日的テーマも含まれている。
 端的にいえば、真の主役は典子(てんこ)ことルリ子。そう、博多の山笠祭りだけは、
スクリーン・プロセスでした。エンディングのカメラを意図的に陽光に向けた
パンアップとハレーションはかっこよいなあ。これ、誰も真似できない。

この作品の主題歌の詞(藤田助監督作)を書こうと思った。これは次作の伏線ですぞ。



92 :名無シネマ@上映中:04/03/22 22:05 ID:SO8tGCPB
長すぎて、自分ながら疲れた。

93 :名無シネマ@上映中:04/03/23 00:49 ID:exeRKyfe
俺は渡辺武信のホンで影響を受け、「憎いあンちくしょう」を観て感動した。
>>89-91の批評は俺には渡辺氏の頂きもあるが別な味わいで、それが面白かった。

ですけど、批評スタイルが形式化されており、ワンマンショーならではの凄みと、
クローズド・システムならではのドグマも感じました。
かなり年長な方(?)に対してとても失礼だけど、ワン・フレーズのご提案だす。
「愛の渇き」でオシマイといわれるなら、今のスタイルはその後で変更
する事をお奨めします。であれば、あれこれと意見を書き込めますので・・

94 :名無シネマ@上映中:04/03/23 14:41 ID:cJmvpFYH
「銀恋」見ました。
たしかにいい出来です。
けど、「憎い」には及ばないと思いました。部分的には匹敵するとこ(91で
言ってるようなとこは、たしかにそのとおりです)もあるけど、「憎い」ほどの
盛り上がりがないと感じました。
「俺は待ってるぜ」も見ましたが、これもよかった。画面の作りは「銀恋」よりも
気に入りました。
BSで「何か面白いことないか」放送してくれないかなあ、見たいんだけど。

95 :名無シネマ@上映中:04/03/23 21:17 ID:rLcdmZdW
俺はこのスレの批評は全否定はしない。ツーカ、異論あっても愛読者です。
んで、>>94
のいうこと、全く胴衣だす。やっぱ、「憎い」の盛り上がりとくらべると、
「銀恋」は落ちると思う。較べるのが適当かはべつだけど、監督は同じだから。
俺は待ってるぜ、への言及もお手軽というか、やり過ごしでしょう。
お前達もやれってんなら、返す言葉がないけど。
「何か」とか「夜明け」、「黒い」、「執炎」、「愛の」はきちんとせねば。
 
つーか、俺達も書かないといけないですね。
長文の書き手達の方々へお詫び。


96 :名無シネマ@上映中:04/03/23 22:33 ID:Wr538elG
このスレの原型はアスキーアートにあると思う。もう、一年近く前だわ。
わたしは、そこで次作の「硝子のジョニー」評を書いた。
間違いだらけだった。捲土重来で、過去の作文はのこっているから、少し勉強して
書きたいなあ。他の人が書くのはあたりまえですがご自由にというより、参考にしたいな。
なんの資料もないもん。あの映画は、Vになったのかしら?超傑作だが。

97 :名無シネマ@上映中:04/03/24 21:35 ID:/RPqWq3V
>94

「何か面白いことないか」は、先行した「憎いあンちくしょう」より落ちるし、
後続の「夜明けのうた」より落ちると思うが、「何か面白いことないか」って、
失敗作といわれながら、不思議な余韻が残るんだよ。
いわゆる、この三作が「典子(テンコと読む)三部作」だけど、
これが最高説なのかどうか、全部観ていないから今現在は保留させて・・・

98 :名無シネマ@上映中:04/03/24 22:36 ID:qLUziDGO
浅丘ルリ子さんは、「憎いあンちくしょう」が自分の出た映画の中で
いちばんお気に入りだって言ってますね。

99 :名無シネマ@上映中:04/03/25 00:41 ID:CfIa3Gai
>98
一般的にはまっとうだけど、「愛の渇き」とか「執炎」とはいわなかったの?
少し、意外ですた。

100 :硝子のジョニー(1):04/03/25 22:10 ID:GoxGjTmn
「硝子のジョニー 野獣のように見えて」
企画 水の江滝子 脚本 山田信夫 撮影 間宮義雄 音楽 
黛敏郎 美術 木村威夫 助監督 藤田繁夫(敏八、復帰)
この作品には深い思いがある。本当はルリ子ファンの私だけど、どうにも
心底まいりましたという作品であること。この作品の批評を書くと、いつも破調と
なるくらい、冷静さ欠いてしまうこと。これは俺にとって、蔵原の白眉の
作品かもしれない。取乱しがあれば、ご容赦下さい。

1.あらすじ
北海道の最北端、稚内の昆布採りの娘芦川いづみは貧しいため、人買いのアイ・
ジョージに売られた。しかし旭川手前で、逃亡に成功、無賃で列車へ乗り込む。
見知らぬ男宍戸錠が汽車賃を払ってくれた。
函館の競輪場で、芦川は宍戸と邂逅。芦川は宍戸の定宿の安旅館までついていく。
芦川が風呂からでると、あまりの美しさに宍戸は圧倒された。
宍戸は野獣のように芦川を襲うが、彼女の涙を見て行為をやめてしまう。
(山田の脚本では明らかに関係が暗示されていたが、蔵原は捨象して無関係にしたと
筆者は解釈した)。純真な芦川はそれ以来、宍戸から離れない。
宍戸は競馬の予想屋で、弟分の若手競輪選手平田大三郎に入れ込んでいた。
やがて、金のために宍戸は武智豊子婆に芦川を売りとばしてしまう。
一方、芦川を追ってきた人買いアイ・ジョージは函館駅で男に刺され、芦川は
アイを優しく看護する。刺し傷完治とともに、アイは人身売買の罪で刑務所に
送られる。
一人残された芦川は稚内へと向かい、宍戸もアイも芦川への想いから稚内へと向かう。
芦川が稚内へ辿り着くと、母も妹達も何処かに去り、無人の実家であった。
芦川は身も心もボロボロになり海へ飛び込んでしまう。茫然とする男二人。







101 :硝子のジョニー(2):04/03/25 22:30 ID:GoxGjTmn
2.印象に残ったカット
開巻、荒々しい海が映し出されタイトル。稚内のひなびた漁村。海岸で昆布を
採りながら、芦川は頭に乗せて髪と戯れ、微笑みながら主題歌「硝子のジョニ
ー」を呟くように口ずさむ。ここで、芦川が知的障害者であることが明示される。
人買いのアイと芦川の母や妹達が海岸へやってくる。芦川は母へ、お金貰った?、
私は心配いらない、きっとジョニーが助けてくれると言う。ジョニーは芦川の
儚き夢であった。
芦川と隣家の娘はアイのトラックに乗せられる。そこで、クレジットタイトルに
BGMが被さる滑り出し。蔵原天性のモダン。トラックが走り出すと、芦川の
妹達が追ってくる。その切り返しのショットで幌の間から妹達をみて涙ぐむ芦川
のアップ。
芦川と宍戸の出会いの場面。客車のドアのガラス窓から酒の一気飲みをしている
宍戸を不思議そうに、芦川がみている。芦川のアップ、あどけない表情に、目をクリクリとさせる目の
泳ぎ方、芦川の役への埋没とその眼技は素晴らしい。競輪場から函館市場を宍戸
と芦川が通り抜ける即興撮影は一切、エキストラなし。まさにシネマヴェリテ
技法である。無事、刑を終えたアイが別れた妻を探し求めて小樽へ。小樽のバ
ーへ向かう途中で、街頭に前作「憎いあンちくしょう」の主題歌(藤田敏八作詞)が
流れている。この手の遊びは別の作品であるが、前のシークエンスの終わりの
映像が、次のシークエンスでは額縁に嵌められた「写真」として、さりげなく
背景の壁にかけてあるなど、手の込んだものもある。芦川を売りとばした宍戸と
芦川がトンカツを食べるシーンでは、芦川がトンカツを口に入れるが、皿に吐き
出す描写がある、川島雄三みたいなタッチですが、私的には蔵原を評価します。
もう一つ、これは受売りで詳細は1962年日活のHP参照。宍戸から売りと
ばされた芦川が鐘が鳴り響く無人の教会を訪れた後で辿り着いた海岸は、2年後
の「夕陽の丘」(松尾昭典監督)のラストでルリ子が裕次郎に置いてきぼりにされる海岸
だそうである。稚内に向かって、夜、芦川が線路をトボトボと歩いていると、
蒸気機関車の灯りが迫ってくる。芦川は行き倒れ、機関車は急停車というシーンは切ない。


102 :硝子のジョニー(3):04/03/25 22:48 ID:GoxGjTmn
3.全体批評
この作品をフェリーニの「道」のパクリとする説がある。確かにジェルソミーナ
=芦川という見方もあろう。私は、似て非なる映画であるという立場である。ただし、
アンソニー・クィンの役柄については、「道」を換骨奪胎して宍戸とアイに分解した
ようには思う。しかし、芦川いづみの美しさはジェルソミーナを遙かに凌駕し、
神々しくも聖なる美。芦川作品は障害者役が多い。「風船」では小児麻痺(左手不
自由)、「佳人」「陽のあたる坂道」では足が不自由、そしてこの知的障害者。
本品は途轍もなく野蛮なまでのサディズムのパラドックスから産み出された
「昇華されたロマンティシズム」が作品全体を埋め尽くしているように思う。
 何としても、最もファンタスチックなのは、間宮義雄の撮影が止めを刺すでしょう。
函館の競輪場、ドア越しの宿屋とフェードアウト、線路づたいを稚内に向かい歩
く芦川、稚内の海岸、荒れた波打ち際、瑞々しい詩情が揺曳して、ひたすら
リリカルで、孤影を湛えた映像である。
この映画は叙情的ドキュメンタリータッチなので、イタリアン・ネオリアリズモ
に譬える説が一部にあるらしいが、私はやはりシネマヴェリテだというスタンスである。
この映画の真のモティーフは「裏切り」であろうと思う。
人(平田)に裏切られた宍戸、妻(桂木洋子)に裏切られたアイ、そして家族
(母と妹達に裏切られた)芦川、それぞれの孤独と哀切ここに極まる。
「俺をすてないでくれ」の絶叫は、芦川の「私を捨てないで」の反語である。
PS.この映画には二つのラストシーンがあるらしい。
木村威夫によれば、上層部と蔵原との諍いがあったみたい。想像するに、
ハッピーエンドか、映画のような終わりかの論争でなかったか。

103 :名無シネマ@上映中:04/03/25 22:51 ID:GoxGjTmn
sageですぞ。

104 :名無シネマ@上映中:04/03/26 00:27 ID:q0IoTZw1
>>100-102
「硝子のジョニー 野獣のように見えて」は故相米監督が、
戦前・戦中・戦後を通じての、邦画ベスト10の中にノミネートしてるぜ。
俺は観ていないというより、観れないもんな。そりゃあ、観たいよ。

105 :名無シネマ@上映中:04/03/26 23:17 ID:Pkp6cJuw
↑の相米がどうたらはくだらん。相米と蔵原は天と地。
硝子のジョニーは山田信夫先生の畢生の名作です。ほんま凄い。

106 :名無シネマ@上映中:04/03/26 23:24 ID:Pkp6cJuw
山田=蔵原ラインは抽象度は高いけど、本当にナイスなコンビだと思う。

107 :名無シネマ@上映中:04/03/27 00:58 ID:eI0Xuget
前のアスキーアートのスレでは、この次の「何か面白いことないか」まで、
あつく論じて、玉砕してしまいました。気力、体力が続きませんでした。
 軽い気持でのお願い。「黒い太陽」、「執炎」「夜明けのうた」、
「愛と死の記録」「愛の渇き」について投稿をして頂けるとうれしい。
今回もそろそろ、つらくなってきたので。

108 :名無シネマ@上映中:04/03/27 01:04 ID:eI0Xuget
つっこみはいつものようにご自由に。
オタスケマンなら、更にご自由に。
 この5作をやっつけないと、フリーディスカッションにならないのです。

109 :名無シネマ@上映中:04/04/02 22:32 ID:0QUF2GN/
青春の門は、深作と連名になっていますが、どんな事情があったのですか?

110 :名無シネマ@上映中:04/04/17 01:49 ID:DrcyJ+DF
救いage

62 KB
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

★スマホ版★ 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver 05.04.00 2017/10/04 Walang Kapalit ★
FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)